警備業界の専門用語集|現場で使える用語を完全解説【2024年版】
警備業界には独特の専門用語が数多く存在します。新人警備員の方はもちろん、警備会社との取引を検討している企業の方にとっても、これらの用語を理解することは非常に重要です。
警備会社との打ち合わせや実際の警備業務では、一般的にはあまり使用しない専門用語が頻繁に登場します。「なんとなく意味は分かるけど、正確には理解していない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、警備業務で使用される専門用語を、項目ごとにわかりやすく解説していきます。現場ですぐに役立つ実践的な知識として、ぜひご活用ください。
警備業務の基本分類
警備業務は法律に基づいて4つの区分に分類されています。それぞれの業務には特徴があり、必要な資格や技能も異なります。まずはこの基本的な区分を理解することから始めましょう。
1号業務(施設警備)
施設警備は、もっとも一般的な警備業務です。オフィスビルや商業施設、工場などの施設を警備する業務で、常駐警備や巡回警備など、様々な形態があります。
- 施設常駐警備:オフィスビルなどに常駐する警備
- 巡回警備:複数の施設を巡回する警備
- 保安警備:店舗や商業施設での警備
- 空港保安警備:空港での保安検査や警備
2号業務(交通誘導・雑踏警備)
道路工事現場での車両誘導や、イベント会場での群衆整理などを行う業務です。歩行者や車両の安全を確保するため、高度な注意力と判断力が求められます。
- 交通誘導警備:工事現場での車両・歩行者の誘導
- 雑踏警備:イベント会場での群衆整理
- 駐車場警備:駐車場内での車両誘導
3号業務(運搬警備)
現金や貴重品、危険物などの運搬を警備する業務です。高度な警備技術と厳密な手順が必要とされます。
- 現金輸送警備:ATMや金融機関の現金輸送
- 貴重品運搬警備:美術品や重要書類の運搬
- 核燃料物質等危険物運搬警備:危険物の護送
4号業務(身辺警備)
要人や企業幹部などの身辺を警護する業務です。最も高度な技術と経験が求められる警備業務の一つです。
- 要人警護:VIPや企業幹部の警護
- パーソナル警備:個人向けの警備サービス
現場で使う実務用語
警備の現場では、効率的な業務遂行のために様々な専門用語が使用されています。これらの用語を知っておくことで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
勤務関連
日々の勤務において最も頻繁に使用される基本的な用語です。シフト管理や勤務報告の際に必須となります。
- 上番(じょうばん):業務開始時の報告
- 下番(かばん):業務終了時の報告
- 日勤(にっきん):日中のシフト
- 夜勤(やきん):夜間のシフト
- 休憩交代(きゅうけいこうたい):休憩時の引継ぎ
警備行動
実際の警備活動で使用される動作や状態を表す用語です。正確な状況報告のために、これらの用語の使い分けを理解することが重要です。
- 立哨(りっしょう):立って行う警備
- 座哨(ざしょう):警備室での監視業務
- 巡回(じゅんかい):定期的な見回り
- ポスト:警備員の配置場所
- 固定(こてい):決められた場所での警備
報告・連絡
適切な情報共有は警備業務の要となります。特に緊急時には、正確な用語を使用した迅速な報告が求められます。
- 急報(きゅうほう):緊急事態の第一報
- 特記事項(とっきじこう):重要な報告事項
- 引継ぎ(ひきつぎ):次の担当者への申し送り
- 指示待ち:本部からの指示を待つ状態
- 現認(げんにん):目視での確認
交通誘導警備の専門用語
交通誘導警備は、工事現場や催事の際に欠かせない重要な業務です。車両と歩行者の安全を確保するため、正確な誘導と適切な用語の使用が必要です。
交通規制
工事現場などでの交通規制には、状況に応じて様々な方法があります。安全かつ円滑な交通整理のために、これらの用語を正しく理解しましょう。
- 方交(かたこう):片側交互通行
- 開放(かいほう):規制の解除
- 規制帯(きせいたい):通行規制区域
- 件名板(けんめいばん):工事内容を示す看板
- Aバリ:A型バリケード
誘導用具
交通誘導では、様々な道具を使用して安全な誘導を行います。それぞれの用具の正しい使用方法を理解することが重要です。
- 赤白旗:交通誘導用の旗
- 赤旗上げ→停止予告
- 赤旗横→停止
- 白旗振り→進行
- 誘導灯:夜間の誘導用ライト
- カラーコーン:区域を示す標識
- 保安灯:夜間の安全確保用ライト
機械警備の専門用語
機械警備は、最新のテクノロジーを活用した警備システムです。センサーやカメラなどの機器を使用し、24時間体制で施設の安全を監視します。
センサー設備
機械警備の中核となる各種センサー類です。それぞれの特性を理解し、適切な運用を行うことが重要です。
- 人感センサー:人の動きを検知
- 熱感知器:異常な熱を検知
- マグネット:ドアや窓の開閉を検知
- 防犯カメラ:映像による監視
- 赤外線センサー:熱源の動きを検知
システム操作
機械警備システムの操作に関する用語です。誤操作を防ぐため、正確な理解が必要です。
- 警戒セット:システム起動
- 警戒解除:システム停止
- 発報(はっぽう):警報作動
- 誤報(ごほう):誤作動
- 復旧(ふっきゅう):システムの正常化
法律・資格関連の用語
警備業務を適切に行うためには、関連する法律や資格制度についての理解も重要です。
資格制度
警備業務には様々な資格制度があり、業務内容に応じて必要な資格が定められています。
- 警備員指導教育責任者:警備員の教育担当者
- 1級検定合格警備員:高度な警備業務の資格者
- 2級検定合格警備員:基本的な警備業務の資格者
法令関連
警備業務は様々な法律によって規制されています。基本的な法令について理解しておくことが必要です。
- 警備業法:警備業の基本となる法律
- 道路交通法:交通誘導の基準となる法律
- 配置基準:警備員の必要人数の基準
まとめ:覚えておくべき重要ポイント
警備業界の専門用語は、一見難しく感じるかもしれません。しかし、以下の点に注意して学習を進めることで、効率的に習得することができます。
- 基本を押さえる
- 4つの業務区分を理解する
- 勤務時の基本用語を覚える
- 報告・連絡の基本を把握する
- 専門分野の用語
- 配属される部署の用語を優先的に覚える
- 現場での具体的な使用方法を確認する
- 分からない用語は必ず先輩に確認する
- 実務での活用
- 用語を正しく使用する練習をする
- 定期的に用語集で復習する
- 新しい用語は随時追加していく
これらの用語を正しく理解し、適切に使用することで、より安全で効率的な警備業務の遂行が可能となります。また、警備会社との打ち合わせもよりスムーズに進めることができるでしょう。
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